現在の2タイプの弊社車両は営業兼バスツアーの添乗員として休みなく3年間動き回った時の経験とその時お客様より頂いたご意見から理想の移動手段として私が考案したものです。
基本的には旅行クレームの三大要素でもあります、「Ⅰ食事・Ⅱ運転・Ⅲ車両」を根本から徹底的に見直ししております。
やはり昨今、大人数で動くバスツアーは少人数でも気軽に参加できる点とお値段の安さでまだまだ人気がありますが、その内容は悪くなる一方です。多くの食事場所も旅行会社との値段交渉や、景気の悪化などで開始最初のままを維持できず、質を落としているのが現状です。コンビニの弁当などに例えると、あの何日たってもふっくらモチモチおいしいご飯の中に何が入っているのか疑問に思ったことはありませんか?ほとんどの団体食はそれ専門に用意された食べ物で、正直なところせっかく旅行に行ってまで食べるお食事ではないと思います。
それではと他に雑誌などでも取り上げられる様なお店を探したとしても、その多くが団体様は受け入れてもらえません。ですが、少人数専用の弊社ならば何の問題もなく予約可能です。事実、電話をすると「旅行会社?うちは団体様は・・」と最初の一言目でいきなり断られますが、弊社がお連れする人数は6~8名ですと伝えると「じゃあOKです」となり、食事はTVで見たお店や地元有名店での食事も可能です。
バス代が正規料金の3分の1程度の昨今、多くのバス会社ではドライバーの給料が満足に払えないか、勤務体系が過酷であるかのどちらかです。ではそうでない会社はどうなのかといいますと、ご存知のように会社が倒産して民事再生法の適用を受けているような状態です。そんな中、当然良い運転手は減り、お客様の安全は完全に二の次になっているのが業界の現実です。
私は過去の添乗員時代、日本全国のバスに乗りましたが、常に眠気覚ましの為の各種ドリンクなどを運転手さんの為に携帯し、その上で眠そうな人の場合には常に横で話かけていました。バスツアーの帰りに、居眠りしてしまい青信号で無反応の運転手さんを何回見たことか・・今考えても恐ろしい・・どこのバス会社でもよい運転手を抱えるのは困難で、過去に県内で評判の高かった会社でも質の悪い運転手が沢山見受けられるようになりました。
現在のバスツアーを走る運転手さんのほとんどが、明日の勤務を考え高速道路でスピードが120キロオーバーは普通です。一般車両とは違いますよ?車重の重いバスは急な事態には絶対対処できません。お客様でも高速道路でスピードを守っている方は、よくご存知でしょう。100kmで走行するあなたの右を、すごいスピードで観光バスが追い抜いていくのを・・終日運転も荒くなり、車に酔ってしまうお客様も多く酔い止めを添乗員が事前準備・確認するのが当たり前という始末。その上で、観光地への道わからない、昨日寝てない、だから挨拶もしないし、イライラしていてお客様の軽い一言にすぐ怒るなど非常に残念なドライバーに多く遭遇しました。
バス代なんて大人数で割ればその額はいくらでもありません。同業者の情報は同業者の私たちはよく知っております。こちらの言うことも聞かずただお安い移動を求めているお客様に、「じゃあ安いだけのバス会社なら噂で聞いた事があります。確か○○交通さんですよ・・」といった形で他社をご案内したところ、結果は旅行終了後に下記のような目も当てられない状態だったという話をお聞きしました。
弊社は人や車両も余っておりませんし、余らないようにわざわざ小型3台で運営しております。台数を持って社員を多く抱える会社のほとんどは、安全を削って安売りに走り、評判を落とし仕事が減りそして会社ごと自滅という道を辿っています。
弊社では、徹底した運行管理はもちろんお客様を危険にさらす行為は一切行いません。ですから、「もっとスピードを出せ!」等の要求をされても申し訳ありませんがお断りします。また前後の旅行がきつい行程の場合は予約をお断りすることも多いです。事実今年のトップシーズンは一カ月に五十日以上の仕事依頼があっても、お受けしたのは20日で半分以上の30日は断りました。
当然当社も仕事は喉から手が出るほど欲しいですが、添乗員時代の身の危険を感じ仕事をしていた思いが忘れられず、目先のお金に負けない徹底した運行管理を行なっております。
運行管理のほかにも運転操作技術(急加速・急停車、急ハンドルをしない訓練)の向上を目指し、日々走行訓練を行い、新しくできた観光地などは積極的に下見に歩くようにしてサービスの向上に日々努めております。
弊社導入の車両の選定は、創業を決意した時から2つの考え方で進めました。添乗員生活の中、どうしたらもっと喜ばれる良いバスにできるかと悩みに悩んだ末、完成したのが現在の2種類の車両です。
一度に旅行に動く人数が減っている現在、まずは(A)9人乗りのジャンボタクシーと同じ車両の大きさと運賃で、乗り心地は大型バス並みという弊社高級小型サロンバスを製作したらどうか・・
次に(B)車両を中古で導入しお客様によりお安く安全なバスを提供しようという、昔からどこのバス会社でもあった発想のもと作られる、航空機のエコノミークラスのようなバスを製作したらどうか・・
ただこれらの考えの実践には越えなければならない壁がありました。(A)は前例がまったくないという壁、(B)は既存の中古バスは日本製でもその利用頻度から結局いつか運行中に壊れてしまい、その購入費の安さ以上の損害を出すという壁です。
いざ製作に取り掛かると(B)の壁は比較的簡単で、日本の普通車乗用車の壊れにくいことは全世界の人々の間でも周知の事実です。そのことから、弊社がエコバスと呼ぶ車両はベースに普通乗用車を利用しようと決めました。その上で、なるべくお金をかけないでなるべく乗りやすく送迎バス仕様に仕上げた車両になります。既存のハイエースコミューターという車両やグランドキャビンと呼ばれるジャンボタクシーと比較しても乗り心地はさほど変わりません。製作前に弊社の車両と何度も比較し構造変更(要は法的に適合させるための変更)をしました。実際に劣るのは見た目の古さのみです。遠距離の旅行でなければ私もこちらがリーズナブルでお勧めです。
それに反して(A)の壁は、構想がまとまってから、バスとして登録するまでの道のりが非常に長く、しかも前例がないため予算が見えないといった事態に・・製作開始して1年経ってもはっきりしたものは見えずに、完成すら危ういといった状態でした。そんな中、約1年半でなんとか初代車両が完成しましたが、やはりイメージとは少し違う状態でした。
当初の計画では8脚のキャプテンシートを置ける予定だったのですが、一人ひとりの空間をもっと贅沢に確保したいという思いから、4名(2列4脚の回転シート)+4名(1列)という現在の仕様になりました。
※現在都内でも数台稼働しておりますリムジンタイプのジャンボタクシーはすべて弊社の車両がベースとなって作られております。
まだまだ、現在の弊社車両にも私自身が納得できない部分がありますが、既存の移動手段と比較した場合では、その広さと快適性やリラックスできる感じは仲間内だけで楽しむ車両としては『贅沢』の一言です。
是非細部までご検討いただき、納得された上でご利用下さいますようよろしくお願い申し上げます。
※現在、次の車両の構想がまとまっています。今後、より多くのお客様にご利用いただければ、より快適な車両を次々と提供していくことをここに誓いまして弊社車両の作成エピソードのご案内でした。
※上記文章は平成22年の正月に書いております。
最近では関越道の事故等、かねてから危惧していた事が起こってしまいました。弊社バスは『事故を起こさない!』などとは絶対に言いきれませんが、事故は起こってから対応するものではなく、起こる前に起こると想定しておかなければならないもの(=事前に起こらないように十分すぎる対策を練った上で、最悪の場合の対応も視野に入れ日々勉強する事)だと考え日々安全運行に努めております。